大変だァ 遠藤周作 [小説]
これを読むまでは遠藤周作の作品は、「沈黙」をはじめとする少し重いキリスト教に関する小説しか読んだことがなかったから、題名からして軽妙で気軽に読めるんだろうなと思っていた。読んでいる間は面白く読んでいた。読み終わってから、これは結構深刻な話なんじゃないかと思った。大げさに茶化して面白くしてあるけど、食べ物から容易に体に有害な物質が入り込む危険性が指摘されていて、話の内容も、全く現実味がないことではない。もしかしたら近い将来起こることかもしれない。起こりつつあることかもしれない。実際環境ホルモンという目には定かに見えないものに、口からだけではなく様々な侵入経路で私たちの体は侵されつつあるのだから。
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