日蝕 平野啓一郎 [小説]
平野啓一郎が京大在学中に芥川賞を受賞して話題になった本。まず、漢字が難しい。最初、なかなか読み進まなかった。でも小説の舞台となっているところの下調べとかは、すごく緻密そうで、すごいなあと思いながら読んでいた。最初は全部漢字を確認してたんだけど、途中から面倒になって多少読めなくても感覚的に分かるからそのまま読み進んでいったら、その先が気になって仕方ないというような感じで引き込まれていった。描写がうまいのか、クライマックスのシーンは非現実的ではあるはずなんだけど空に吸い込まれていくようになまなまと頭に浮かぶ。三島由紀夫の再来か、と騒がれたことが納得できる。難しい漢字の多用は、何かこだわりがあるんだろうなと思いながら物語の流れだけを追っていってしまったけど、そのこだわりが理解できて漢字を味わうことができたら、もっと楽しむことができるのかなあと思った。
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